上野原駅北口に降りて左側に続く階段を経て、徒歩15分。5月半ば、黄と赤の点滅信号の脇のナンジャモンジャの木は、真っ白な花に覆われます。ナンジャモンジャはモクセイ科ヒトツバタゴ属の落葉広葉樹で、本名はヒトツバタゴといいます。手前の黄色い花はモッコウバラです。
 上野原では5月上旬〜中旬頃、新葉の先に十文字の細い花がびっしりと咲きます。学名の「Chionanthus retusus」のChionanthus(チオナンサス)は ギリシャ語の 「chion(雪)+ anthos(花)」が語源で、白い花のかたまりを雪にたとえたそうです。英語の通俗名も「Snow Flower/Snow Blossom」(雪の花)とされており、日光を浴びて反射すると、こんもりと真っ白く、まるで雪をかぶったように見えます。
 呼び名ですが、青山練兵場の道路沿いにあったこの木の名前がわからず「ナンジャモンジャ」と呼んだ、など諸説あるようです。ちなみに広辞苑では「関東地方で、その地方には見られない種類の大木を指していう称」となっています。実際はクスノキやヒトツバタゴ、アブラチャンなどだそうです。